生命倫理辞典

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ジョンセンの四分割表

定義 ジョンセンの四分割表とは、Jonsenらが提示がした、倫理的問題を整理し解決するためのチェックシートである。(以下は入門・医療倫理I 〔改訂版〕p.76の表を改変して引用したもの。) 医学的適用(Medical Ind
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決疑論(casuistry)

同義語 カズイストリ 定義 決疑論(casuistry)とは、倫理的問題に回答を導く指針を、「倫理理論」や「倫理原則」にではなく、具体的な「ケース(事例そのもの)」に求める立場のことである。 決疑論においては、具体的には以下の3
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アンソロジー症候群

定義 アンソロジー症候群とは、医療倫理学のアンソロジーに見られる、様々な倫理理論を提示し、読者に都合のよいものを選べ言っているに過ぎない傾向(を批判的に揶揄った言葉)である。医療倫理学者のガート(Gert)らの言葉である。 参考 入門
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生命至上主義(vitalism)

定義 生命至上主義(vitalism)とは、人間の生命を絶対的な価値とみなす生命倫理学上の立場である。 生命至上主義においては、人間の生命は、理由や状況のいかんを問わず、常に可能な限り維持することが善であり、それを短縮させたり奪うこ
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生命の始まり

ヒトの生命の始まりはいつからか、ということに関しては複数の見解がある。 代表的なものを以下に示す。 (1) 精子、卵子が発生した時点が生命の開始時点である。この見解では生命の開始時点がいつなのか、精子、卵子がどのような状態になっ
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出生前診断(胎児診断)

定義 出生前診断(胎児診断)とは、出生前の胎児の疾患を調べる技術である。 出生前診断には以下のような意義があると考えられている。 ・胎児の病気を早期発見して胎児期に治療(胎内治療)を行う ・高度医療機関で分娩できるように
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新型着床前診断(着床前遺伝子スクリーニング:PGS)

同義語 新型着床前診断、着床前遺伝子スクリーニング(PGS) 定義 新型着床前診断とは、従来の着床前診断より高い精度で異常を検出可能できる新しい検査のことである。 実際には「着床前遺伝子スクリーニング(PGS)」と呼ばれる検査の
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生殖補助技術(Assisted Reproductive Technology : ART)

定義 生殖補助技術(Assisted Reproductive Technology : ART)とは、近年に開発された新たな不妊治療法の総称である。 主な生殖補助技術 1.人工授精 (1) 配偶者間人工授精(AIH) (2)
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ドナーによる人工授精 (Artificial Insemination by Donor : AID)

同義語 AID (Artificial Insemination by Donor)、DI (Donor Insemination) ドナーによる人工授精、非配偶者間人工授精 定義 ドナーによる人工授精とは、ドナー(要するに夫以
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体外受精・胚移植(IVF-ET)

定義 体外受精とは、体外(試験管内)で精子と卵子を受精させる操作のことである。 体外受精によって出生した児を体外受精児(=試験管ベビー)と呼ぶ。 参考 生殖医療はヒトを幸せにするのか 生命倫理から考える (光文社新書)
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卵子老化

定義 卵子老化とは、女性の加齢とともに、その女性の卵子も老化していく現象のことである。 女性の卵子は、その女性の胎児期に既に作られており、出生後に増えることがない(つまり精子と違って卵子は出生後にあ新たに造られることがない)。従って
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包括的同意

定義 包括的同意とは、医学研究において、使用目的を特定せずに、試料などを保管・利用することを許可する患者の同意のことである。
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ホストマザー(体外授精型代理母)

定義 ホストマザー(体外授精型代理母)依頼夫婦の体外受精卵を、着床させ代理出産する女性のこと。いわゆる「借り腹」である。1980年代から実用化された。 この場合、遺伝子的には生まれてくる子供は依頼者夫婦の完全なる子供である。(遺伝的
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健康格差(health disparity)

定義 健康格差(health disparity) とは、経済格差が健康状態の格差につながっているという疫学的事実のことである。経済格差は人種、民族の違いとも密接に関連していることが知られている。 参考
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サロゲートマザー(人工授精型代理母)

定義 サロゲート・マザーとは、排卵期に、依頼者の男性の精子を人工授精によって子宮にいれて、代理出産する女性のことである。1960年代から実用化された。 この場合、遺伝的には、生まれてくる子供は夫と出産した代理母の子供である。
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選択的シングルマザー(Single Mother by Choice : SMC)

同義語 計画的シングルマザー、非婚シングルマザー 定義 選択的シングルマザーとは自分の意志でパートナーを持たずに子供をもつ女性のこと。 この人々が生殖補助技術(Assisted Reproductive Technology :
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医療者の守秘義務(confidentiality)

定義 医療者の守秘義務とは、医療者が業務上知り得た患者の個人情報を、患者の治療やケアに直接関わらない人に開示してはならない(秘密にしなければならない)義務のことである。 医療者の守秘義務はBC5世紀のヒポクラテスの誓い(The Hi
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他者危害原則(harm to others)

定義 他者危害原則(harm to others)とは、個人の自己決定権を制限する基準の1つである。 J.S.ミル(1806-1873)が『自由論』(On Liberty)の中で以下のように定式化している。 文明社会のいかなる成員
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生命倫理学の歴史(年表)

1969 (米国)ヘイスティングス・センター 設立 1971 (米国)ジョージタウン大学ケネディ倫理研究所 設立 1970年代後半 日本でbioethicsが生命倫理と訳される 1988 日本生命倫理学会が設立
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ドナー・ベビー

定義 ドナー・ベビーとは、病気の子供の治療に必要な臍帯血などの提供を可能にすることを目的として、着床前診断技術によって選別されて生まれてくるベビーのことである。 世界初の着床前診断を受けた児が誕生したのは1990年イギリスにおいてで
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医学研究倫理史(年表)

1947 ニュルンベルク綱領 1972(米国)タスキギー梅毒実験がマスコミで公表され社会問題化する。 1972(米国)ヒトを対象にした医学実験を国家予算で行う全施設に、施設内審査委員会(IRB)の設置が義務付けられる。 1
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長期脳死

定義 長期脳死とは、脳死後、30日以上も心停止しない(症例の)ことである。 脳死者はどんなに長くとも1週間以内で心停止を迎える、というのが脳死・臓器移植推進派の論拠となってきた。しかし実際には脳死後も長期に渡り、体温を保つ、心拍を続
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医療倫理の4原則

同義語 医療倫理の四原則(Four Principles in Medical Ethics)、四原則 定義 生命倫理の4原則とは、T.L.ビーチャムとJ.F.チルドレスが提唱した、生命倫理を考える際の4つの原則のことである。
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無呼吸テスト

定義 無呼吸テストとは、法的脳死診断(判定)において実施が義務付けられている、患者の自発呼吸の有無を調べる検査である。実際のやり方には細かいバリエーションがあるが、本質的には人工呼吸器を10分程度停止して自発呼吸の有無を確認するものである
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タスキギー梅毒実験 (Tuskegee syphilis experiment)

定義 タスキギー梅毒実験(Tuskegee syphilis experiment)とは、アメリカ南部タスキギーで、貧しいアフリカ系アメリカ人男性約600人を対象として、1932年~1972年の40年にわたって米国政府(公衆衛生局)が実施
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脳死の厚生省基準(竹内基準) (1985)

脳死の厚生省基準(竹内基準) (1985)とは、日本の厚労省による脳死判定基準である。 (1) 深昏睡 (2) 自発呼吸の消失 (3) 瞳孔散大・固定 (4) 脳幹反射の消失 (5) 平坦脳波 上記5条件が満たされた後、
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滑り坂理論

同義語 「滑りやすい坂理論」(slippery slope)、「くさび論」 定義 滑り坂理論とは、ある行為を倫理的に許容すると、それに近似した行為をも許容することにつながり、結果としてなし崩し的に(あたかも滑りやすい坂を転がり落ちてい
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ハーバード基準:脳死(1968)

脳死のハーバード基準(1968)は、ハーバート大学医学部の提唱した脳死の診断基準である。 (1) 外的刺激への無反応 (2) 運動や呼吸の欠如 (3) 無反射 (4) 脳波測定が可能な場合には平坦脳波 上記4つで判定される
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脳死(brain death)

定義 脳死(brain death)は脳機能の不可逆的停止と定義される。 この状態は人工呼吸器の普及によって知られることになった。 脳死状態は当初は、「超昏睡」「不可逆的昏睡」と呼ばれていた。神経学的には遷延性意識障害である。
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臓器移植法

臓器移植法の歴史 1997/10/16 施行 「臓器の移植に関する法律」(旧臓器移植法) 2009/07/13 改訂 旧臓器移植法の要点 (1) 本人が臓器提供の意志を書面で表示し、家族の承諾のある場合のみ、脳死を法的な死とすること
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安楽死(euthanasia)

定義 安楽死とは、ある人(X)が、別の人(Y)の利益のために、意図的にYを殺すか、Yが死ぬのを許すことである。 自殺では死ぬ人(Y)と殺す人(X)が同一人物である。安楽死では死ぬ人(Y)と殺す人(X)が別人物である。 安楽死の分類
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積極的安楽死(active euthanasia)

定義 積極的安楽死とは、ある人(X)が、別の人(Y)自身の利益のために、Yを殺すことである。具体的には、医師が患者に致死薬を注射して死なせることである。 関連 医師による自殺幇助(physician assisted suicide
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リポジトリー・フォー・ジャーミナル・チョイス(Repository for Germinal Choice)

リポジトリー・フォー・ジャーミナル・チョイス(Repository for Germinal Choice)は1980~1999年にカリフォルニア、エスコンディード(Escondido)に実在した精子バンクである。 一般にはノーベル賞
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着床前診断(Preimplantation Genetic Diagnosis)

同義語 Preimplantation Genetic Diagnosis, PGD, 受精卵診断 定義 着床前診断とは、着床前の受精卵(=体外受精した受精卵)の段階で行う遺伝子検査である。その受精卵から誕生するであろう児の遺伝性疾患
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プロ・チョイス(pro-choice) vs プロ・ライフ(pro-life)

プロ・チョイス、プロ・ライフは中絶の是非を巡る2つの立場である。 プロ・チョイス(pro-choice)は、胎児の生命より母親の選択権を優先する立場、要するに中絶賛成派のことである。 プロ・ライフ(pro-life)は、母親の選
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脳死・臓器移植の潜在的ドナー

定義 脳死・臓器移植の潜在的ドナーとは、現在、脳死と判定されていないが、将来的にそのように判定される可能性がありうると考えられている一群の人々のことである。 実際問題として、米国では移植の順番待ちの間に死んでしまう患者を救うために、
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出自を知る権利

定義 出自を知る権利とは、匿名の第三者によって提供された精子・卵子・受精卵を用いて誕生した子供が、成長した後に、匿名の提供者が誰であるのかを知る権利のこと。 スウェーデンでは子供の出自を知る権利が法律で明言されている。 参考 は
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死後生殖

定義 死後生殖とは、冷凍保存しておいた男性の精子を、当該男性の死亡後に使用して子供をつくることである。 日本の現行法では死後生殖で出生した児と死亡した精子提供者である男性の間の父子関係は認められない(2006 最高裁判決)。 参考
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生殖ツーリズム

定義 生殖ツーリズムとは、国内では(技術、法律、倫理などの理由で)実施の難しい生殖補助技術を受けやすい外国に行って受けることである。 参考 はじめて出会う生命倫理 (有斐閣アルマ)
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コンピテンス(competence)

定義 生命倫理学におけるコンピテンスとは、自分自身に対するの医学的介入(検査、治療など)に関して、自分の意志を自分で判断し表明できる能力のことである。 生命倫理学者のエンゲルハートは「コンピテンスをそなえた成人の患者は、自分の関心事
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代理同意

定義 代理同意とは、同意能力がないとみなされる患者の治療上の意思決定に対して、別の人物が代理人として与える同意のことである。 日本の法律における代理同意 臓器移植では、本人の意思が不明な場合、家族の同意だけで臓器提供が可能である(20
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消極的安楽死(passive euthanasia)

定義 消極的安楽死とは、ある人(X)が、別の人(Y)の利益のために、Yが死ぬことを許すことである。具体的には、(1)延命治療をそもそも開始しない(差し控える)(2)延命治療を中止する、のいずれかの方法によって実施される。 このうち(
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ヒポクラテスの誓い(The Hippocratic Oath)

定義 ヒポクラテスの誓いは、古代ギリシアの医師ヒポクラテス(BC.4世紀)が書いたと伝えられる医師の職業倫理に関する誓約文である。 現在でも医師の教育や臨床において参考にされている。 医の神アポロン、アスクレーピオス、ヒギエイア、
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尊厳死(death with dignity)

同義語 消極的安楽死(passive euthanasia)、自然死、ナチュラルコースによる死 定義 尊厳死とは、ゆきすぎた(無意味な)延命治療を差し控えることによって、自然な経過を辿っていると考えられている死のことである。 実
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間接的安楽死

定義 間接的安楽死とは、苦痛緩和のために麻薬などの薬剤を投与して、結果的に患者の死期を早めることである。 薬剤投与により患者の寿命短縮が強く予測可能であったとしても、そのことが薬剤投与の意図ではなく、あくまで行為としては苦痛緩和を目
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非自発的安楽死

同義語 慈悲殺(mercy killing) 定義 非自発的安楽死とは、安楽死する当人(Y)に判断能力と意志の表明能力がないとみなされる場合に実施される安楽死のことである。 参考 看護のための生命倫理
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医師による自殺幇助(physician assisted suicide : PAS)

定義 医師による自殺幇助(physician assisted suicide : PAS)とは、医師が致死薬を患者に処方し、患者が自らそれを内服して自殺することである。 関連 積極的安楽死(euthanasia)
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生命の神聖さ(sanctity of life : SOL)

定義 「生命の神聖さ(sanctity of life : SOL)」とは、生命はそのものに内在する神聖な価値を意味する言葉である。 元来はカトリックの全ての生命は神から与えられた神聖不可侵なものであるという教義に由来する概念である
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生活の質(Quality of Life : QOL)

定義 生活の質(Quality of Life : QOL)とは、患者本人にとっての生活満足度を意味する概念である。通常、「生活の質」と訳されるが「生命の質」という意味も含んでいる。 QOLの概念は生命の質が低い場合に安楽死を是認す
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生命の尊厳(dignity of life)

定義 生命の尊厳は広義の概念であり、文脈によって(1)生命の神聖さ(sanctity of life : SOL) (2)生活の質(Quality of Life : QOL)などの意味に使用されている。 尊厳死という場合の尊厳はQ
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